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三沢塾。 そのビルの内部にある、校長室というプレートの下がった部屋。 豪華だが品のない内装をしたその部屋の奧には、校長が座るのだろう、黒壇と黒革の座席のセットが鎮座している。 その、黒壇の前に。 およそこの部屋の雰囲気にそぐわないものがあった。 丸テーブルと、向かい合って置かれた二つの腰掛け。 真っ白いそれらには、腕のある職人が彫ったのだろう、精密で美しい西洋風の模様が刻まれており、周囲の成金趣味丸出しの調度品とは一線を画している。 そして、カフェテリアから丸ごと抜き出してきたかのようなそのティーテーブルの一席に、 「…………………………」 垣根帝督は憮然とした表情をして座っていた。 「断然」 そんな垣根に、部屋の隅にて、薬缶の火加減を見ながら、アウレオルス=イザードが声をかける。 「我としては珈琲より紅茶の方が好みなのだが、貴様はどうだ? 珈琲を、というのならわざわざ入れてやらんこともないが、味は保証せん」 「……どっちも要らねぇよ」 「では紅茶だな」 「………………」 アウレオルスは、ティーテーブルと似た意匠のポットに茶葉を入れ、薬缶の湯を注ぐ。 しばらく蒸らしてから、ポットと同じ模様のティーカップを2つ用意し、それぞれにポットから香り高い紅茶を淹れると、そのうちの一つを垣根帝督の前に、もう一つを対面の席に、砂糖やミルクのセットを載せた盆をその中間に置いてから、自身は垣根の対面に設置された席に座る。 そして―― 「突然」 湯気を立てる紅茶をストレートのまま一口飲み、 「まずは、何から話してもらうか」 これから茶話でもしようかという口振りで、アウレオルスは垣根に問いかけた。 「武装解除せよ」 垣根に剣を突きつけられた体勢のまま、アウレオルスが厳かに命令した。 「は?何言ってやがん……!?」 あまりに場違いなその発言に、呆れた垣根が言葉を言い切る前に、変化は訪れた。 垣根の身体が意志を離れて勝手に動き、自身の持っていた剣を手放し、さらに右手に装着していた籠手まで抜き取って地面に捨ててしまったのだ。 ――アウレオルスの、言葉の通りに。 (なんだこりゃ!? 精神……いや、肉体を操作する能力か?) 垣根が逡巡する間に、アウレオルスはスーツのポケットから太い鍼を一本取り出し、自身の頸に突き刺す。 「ハッ、動機付けってか? 不便だなぁオイ。能力は成る程トリッキーだが、そいつはまんま弱点だぜ!」 相手の『言葉』に怯まず、新たな『未元物質』を作り出そうとする垣根。 しかし―― 「一切の攻撃行動を禁止」 鍼を地面に放りながらアウレオルスが一言呟くと、 「んなっ……!?」 垣根が頭の中で組んでいた『未元物質』の数式が、一瞬にして瓦解した。 (馬鹿な……精神にも干渉出来んのか?) 何度組み直そうと、『未元物質』は数式の途中で崩壊する。 (だったら、直接殴りに行ってやろうじゃねぇかよ!) 思い、足に力を入れる垣根だったが、 「くっそ……」 まるで床に縫いつけられたかのように両足がその場から動かない。 (マジで攻撃が禁止されたってのか? ――野郎の言葉通りに) 額から嫌な汗が一筋流れる。 アウレオルスはそんな垣根の目の前に悠々と近づいてくる。 「当然。貴様を一度殺し、記憶を消去した上で結界の外へ捨て置く……ダミーが出来なかったそれを、我がすることは可能であるし、容易である。しかし、貴様のダミーを倒したその能力に興味が湧いた。断然。殺すよりは、茶でも沸かして語り合った方が面白そうである」 自分のことを殺すと宣言した人間に対して、アウレオルスは突拍子もないことを告げる。 「はぁ? 誰がテメェなんぞと一緒に仲良くお茶しようって? フザケんじゃねぇぞ」 「全然。貴様の意見など聞いていない。――我について来い」 「っ!!」 アウレオルスの言葉に素直に従い、歩き出す垣根の身体。 それを疎ましく、気味悪く思いながらも、 (くそっ、訳がわかんねぇぞ!?) 垣根に抵抗する術はなく、アウレオルスの後に続いて階上へ上っていったのだった。 「あぁ? テメェに話すことなんざ一つもねぇよ、アウレオルス=イザード」 垣根は出された紅茶に手さえも触れず、アウレオルスの問いを乱暴に撥ね除ける。 「そうだな、まずはその特異な能力について教えてもらおう」 「だーかーらーよ―」 「何度も言おう。貴様の意見など聞いていない。――我の質問に対して、一切の虚偽なく返答せよ」 「『未元物質』。この世にもとより存在しない物質を生み出し、操作する能力だ………………っ!?」 勝手にしゃべり始めた自分の口に驚愕する垣根に対して、アウレオルスは涼しい顔でその内容を吟味する。 「この世に存在しない、か。超能力とやらの仕組みは知らぬし、興味もないが……自然、そのような物質があるならば我の『リメン=マグナ』が破られることもあろう。だが、フン。その程度か。ならばいくらでも対処の仕様がある、つまらぬ能力だ。憮然。生かしてここに連れてくるだけの価値すらなかったやもしれぬな」 「テメ、言わせておけば……」 「まぁいい。次の質問だ。或いは、本来ならばこちらを先にすべきなのかもしれぬが……貴様、名は?」 「垣根帝督」 「所属」 「先進教育局、木原研究所」 アウレオルスの問いにスムーズに答えていく自分の口に苛立ちを感じるも、垣根にはどうすることも出来ない。 「ならば、目的は?」 ――どのような仕組みかはわからない。 だが自分はアウレオルスの言葉の通り、彼の質問には正直に答えることしか許されていないらしい。 故に垣根は、自らがここに来た『目的』を嘘偽りなく答えた。 「姫垣を――妹を守るためだ」 これが垣根でなかったなら、雇われたから、金のため、異分子の排除――いくらでも他の答えが出てきただろう。 しかし、垣根の、垣根帝督という人間の『目的』とは、ただひたすら垣根姫垣に集約される――それこそ、その他のあらゆることはそれに連なる『手段』でしかないように。 だからこそ、垣根帝督はこれ以外に答えを持たない。 「……………………………ほぅ」 垣根の答えを聞いた瞬間、アウレオルスの声音が変わった。 『未元物質』に対する興味が失せた後、平坦になっていたそれが、最初以上の好奇心を窺わせる色に変わったのだ。 「妹を守る、か。――詳しく話せ」 貴様の生に興味が湧いた。 そう付け足すアウレオルスの表情に、垣根は先程までは見えなかった何かを垣間見た気がした。 それはおそらく――人間らしさ、と呼ばれるものだったのだろう。 「足りんな」 垣根から全てを聞いた後。 アウレオルスの発した第一声はそれだった。 「…………テメェ、人にさんざしゃべらせといて、まだ聞き足りねぇってのか?」 もう諦めた面もあるのだろう、垣根は自分の前に置かれているすっかり冷めた紅茶を一気に飲み干して、喉を潤してから言う。 「全然。そうではない。足りぬのは貴様の覚悟の方だ。貴様が真に妹の平穏を、救済を望むのであれば、貴様の覚悟はまるで足りん」 「……んだと? どういう意味だテメェ」 「敢然。垣根姫垣のために、それ以外の全てを利用し、切り捨て、敵に回すだけの覚悟。何もかもを――或いは自身の身さえも、彼女のための犠牲に強いる覚悟のことだ」 「ぁ? だから俺は――」 「ならば何故、貴様は姫神秋沙を差し出せという木原幻生の依頼を承諾しなかった?」 「――っ!」 「それで貴様の目的に少しでも近づくのならば、貴様はその依頼を断るべきではなかった」 「だが……」 「木原幻生に貢ぐような行為が嫌だった、そう言いたいのだろう。だが、否。真実は異なる。貴様は姫神秋沙を関係ない人間だからと同情し、守ろうとしたのだ。そしてその言い訳に木原幻生への嫌悪感を持ち出そうとしているに過ぎない」 「……………」 「歴然。図星だな。それが貴様の甘さだ。関係ないから何だと言うのだ。それが貴様の道を阻むのなら破壊しろ、完膚無きまでに叩き潰せ。利用できるなら利用し尽くせ、不要になったら切り捨てろ。どちらでもないなら無視しろ、貴様の行動の結果それが生きようが死のうが関心を持つな。――あれもこれも守ろうなどと、愚劣にも程がある」 「……テメェに言われる筋合いなんざねぇよ」 絞り出すように呟く垣根。 しかしそれは、アウレオルスの言葉に反論できないと言っているようなものだ。 「フン。昂然。ならば我も語ってやろう」 まるで垣根のその言葉を待っていたとばかりに、アウレオルスは唇を歪める。 「我がここに来た理由、我の救出すべき女性(ひと)のことを」 「……秘密なんじゃなかったのかよ?」 拗ねるような垣根の態度に、アウレオルスはやはり余裕を持って答える。 「言ったであろう。貴様のことが、少しばかり気に入ったのだよ」 そして、アウレオルスは席を立ち、再び薬缶を沸かし始めた。 「少し長くなる、もう一度紅茶を入れよう」 「魔術、ね。どうやらカルト教団を乗っ取ったのは、テロ屋じゃなくまた別のオカルティズムだったらしい」 アウレオルスの話を聞き終えた垣根は、もはや飲むことに抵抗のなくなった三杯目の紅茶に口をつけ、そんな感想を漏らす。 「当然。貴様の反応はもっともだ。純正な科学育ちの貴様に理解しろとは言わぬ。何より、魔術だ何だなぞは些細なことだ」 「魔道書とかいう核爆弾の設計図みてーなもんを十万飛んで三千冊も頭ん中に詰め込まれ、おまけに一年間の記憶しか持つことを許されていない、禁書目録……テメェはそいつのためだけに、テメェの属していたロシア成教を、そして世界中を敵に回した」 「純然。我は禁書目録のためにここまで至った。他のあらゆることを排除し、無視し、利用し、切り捨てて。この三沢塾も、ここに通う学生たちも――そして姫神秋沙も」 「俺とは違って、か?」 「当然」 「ちっ……」 舌打ちし、しかし垣根は今聞いた話を即座に頭の中で整理し、意趣返しとばかりに一つの事実をアウレオルスに突きつける。 「だが、一つ言っとくとよ、その魔道書を記憶しているせいで一年しか記憶が保たねぇってのはイギリス清教の方便だ。そっち方面にそこまで詳しい訳じゃねぇが、確か人間の記憶のキャパってのは140年生きてても埋まりゃしねぇらしいし、そもそも脳の中の情報を記憶する部位と思い出を記憶する部位とは全然別個らしいぜ?」 「顕然。そんなことはとっくに知っている」 「あ?」 得意気に語った知識を簡単にあしらわれ、うっかり大口を開けて呆然としてしまう垣根。 「魔術師だから科学に疎いなどと思うな。何より我は錬金術師である。錬金術とは、科学と魔術の両面を持つものだ。我には化学をはじめ、自然科学の知識は十分にあるし、禁書目録を解放しようと、脳科学にも手を出した。直接最大主教の下についている必要悪の教会の魔術師どもはその言葉を疑わぬだろうが、我はもとよりあの女狐を信用していないからな。一年間しか保たない記憶など嘘であることは、とっくに気づいていた」 アウレオルスは紅茶で喉を潤し、静かに続ける。 「そして、我はその記憶の絡繰りをすでに解き明かしている。禁書目録は、一年毎に記憶をリセットする霊装――『首輪』とでも呼ぶべきものをつけられているのだ。そして、その『首輪』を破壊すれば……」 「……禁書目録は解放される」 「そしてそのための力も手に入れた。『黄金錬成(アルス=マグナ)』。この術式さえあれば、どれほど強固な術式をも破ることが出来る」 「イメージ出来んのか? その強固な術式を壊すっつーよ」 過去を話す中で語られた、アウレオルスの完成させたという術式の弱点を指摘する垣根だったが、 「明然。他の事物はいざ知らず、それが禁書目録のためであるのなら、我の思考に不可能はない」 アウレオルスはそれにしっかりと答えを返す。 その瞳は、全く揺るがない。 「成る程、な。だがそうすると一つわからねぇ。どうしてテメェは吸血鬼なんてもんを追い求める? 『首輪』を破壊すりゃいいなら、無限の記憶なんざ必要ねぇだろ」 「ならば、少し考えてみよ。例え『首輪』を破壊しても、禁書目録は依然として十万三千冊の魔道書を抱えていることに違いはない。それがある限り、禁書目録は魔道書の知識を求める輩によって危険にさらされ続けるであろう」 「確かにそうだが……いや、待てよ」 得られた情報から、学園都市第二位の頭脳は一つの結論を導き出した。 「じゃあ……まさか、テメェの本当の目的は……十万三千冊の魔道書に関する全ての知識を吸血鬼の脳味噌に移し替えること、なのか?」 「ほぅ、快然」 心なしか声を弾ませて言うアウレオルス。 「なかなか優秀だな。その通り、先程の説明は最大主教のそれと同じ方便。禁書目録を吸血鬼に噛ませる? 馬鹿を言うな。守るべきものを人外に変えるなど、出来ようはずがない。我は『首輪』を破壊した後、禁書目録から魔道書についての知識を抜き出し、吸血鬼に植え付け、それをイギリス正教に差し出すつもりだ」 「それは……」 確かにそうすれば、魔術的観点から見て禁書目録に存在価値はなくなるだろう。 禁書目録を、完全に救えるだろう。 だが―― その過程において、三沢塾の塾長らは殺された。 学生たちは、死んでは生き返りの苦痛を繰り返すことを強制された。 その結果において、禁書目録の身代わりとなった吸血鬼は、その自由を奪われることになる。 それも、不死たる吸血鬼に、終焉が訪れることは決してない。 永遠の生き地獄だ。 そして、それは姫神秋沙と交わしたという協力関係に完全に違反することでもあるのだろう。 姫神秋沙を裏切ることになるだろう。 それでも、この男は――アウレオルス=イザードは、躊躇なくそれらを行うと言う。 大衆は、おそらくそれを悪と、或いは非人間的と罵るだろう。 どこかのツンツン頭の少年は、間違いなく右の拳をアウレオルスに向かって振り下ろすだろう。 だが、垣根帝督は。 そんなアウレオルス=イザードに全く異なる感想を抱いた。 「何だそりゃ――格好いいじゃねぇかよ」 姫垣のために生きる自分と。 禁書目録のために生きるアウレオルスと。 そこには似通うところがあって、しかしアウレオルスの方がずっと高いところにいる。 長い会話の末、そのことを悟った垣根は、アウレオルスに憧憬の念さえも抱いていたのだ。 「いいな。そういうの、本当に」 「現然。ようやく我が貴様を連れてきた理由を了解したか」 「あぁ……」 垣根は椅子からゆっくりと立ち上がる。 「それが俺の道を阻むのなら破壊しろ、完膚無きまでに叩き潰せ。利用できるなら利用し尽くせ、不要になったら切り捨てろ。どちらでもないなら無視しろ、俺の行動の結果それが生きようが死のうが関心を持つな――その通りだ。全くもって俺は甘かった。こんなんでヒメを守ろうなんて、そのもの愚劣だった。だから……」 「だから――俺はテメェをぶっ殺すぜ」 「……ほう」 アウレオルスの目が、細くなる。 「俺の仕事は三沢塾を奪い返すこと。そして今の三沢塾の支配者はテメェ。つまりテメェは俺の道のど真ん中に胡座かいて座ってやがるってことだ。だったら、俺はテメェをぶっ殺すべきだ――それしか道は、ねぇんだからな」 テーブルから退き、いまだ座ったままのアウレオルスとの距離を測る垣根。 「俺にそのトンデモ能力……『アルス=マグナ』っつったか? その仕組みを教えちまったのは迂闊だったな。どんな能力だろうが、タネが分かっちまえばいくらでも対処のしようがあるんだよ」 ハッタリでは、ない。 本当に『アルス=マグナ』がアウレオルスの精神状態に由来するものであるのならば、相手の言葉の裏をつくこと、或いはそれこそハッタリを仕掛けることで、能力に穴を空けることは可能なはずだ。 「一応礼を言っておいてやる。説教じみててウザかったが、なかなか有意義な話だった。ありがとよ」 言い、右手に『未元物質』の剣を出現させる垣根。 (やっぱりな。もう『攻撃禁止』の命令は解けてる。『アルス=マグナ』の根幹は言葉ではなく意識。アウレオルスが自分の下した命令を意識しなくなれば効果はなくなるってことだ) 一方、アウレオルスは席から立ち上がらないまま、垣根を見据えて変わらぬ調子で言葉を紡ぐ。 「励然。礼を言うのはこちらだ。我も貴様のような、我と同じ行動原理を持つ人間に会い、話すことが出来たのは僥倖である」 「ハン、言ってろ。俺は俺の道を阻むテメェをぶっ殺す。姫神秋沙は幻生に差し出し、利用する。そしてその結果――テメェの大事な禁書目録がどうなろうが興味はねぇ」 大きく跳び、ティーテーブルの上に土足で踏み乗る垣根。 「悦然。それで良い。それが正解だ。貴様が口先だけの男ではないと分かると喜ばしい。故に――サービスだ。貴様のことは見逃してやろう」 「それがテメェの言う甘さだろうが!」 (野郎は意志を言葉にすることで強固にする。つまり一度に行える命令は一つまで!) 垣根はテーブルの上をアウレオルスの方へ向かって高速で駆ける。 「我の道はすでに終端に近いのでな。この程度の障害は誤差でしかないのだ」 「だったらその誤差にやられちまえ!」 (『武装解除』なら、素手で殴りに行く) 垣根に踏み荒らされ、倒れ、砕けるティーセット。 (『攻撃禁止』なら、防御は可能なはず。とびきり固い『未元物質』を纏ってこのスピードのままぶつかれば、ダメージは与えられる) ついにアウレオルスの目前に迫り、垣根は西洋剣を高く振り上げる。 (さぁ、どう来るっ!) 「忘れよ」 「ん?」 垣根帝督はふと、寄りかかっていた愛用のバイクから身を起こす。 「寝ちまってたのか……?」 軽く目を擦った垣根は、そこで空が僅かに赤色を帯びているのに気づいた。 「夕方かよ……おいおい、どんなけ寝てたんだ。つーか、ここどこだよ」 辺りを見回し、自分が見覚えのない区画にいることを確認する垣根。 後方の巨大なビルからは、学生らしい少年少女たちがたくさん吐き出されている。 どうやら塾か何かのようだ。 無論、垣根にはまるで縁のない場所である筈だが―― 「こんなところに用事でもあったのか俺は? つーか何も思い出せねぇ。確か午前中は幻生んとこにいたんだよな。その後は……んー? 何なんだよ、ったく。酔っ払いじゃあるまいし」 右手で頭をがしがしと掻く垣根だったが、当然そんなことで記憶が戻ったりはしない。 「あ、今日ってヒメ友達と遊びに行ってるんだよな。もうそろそろ帰ってくる時間か? やべ、買い出し行かなきゃならねぇ」 結局、垣根は違和感を抱えつつも、それを無視してバイクを発進させ、タイムセールに間に合うようスーパーに急ぐことにした。 ――それが貴様の道を阻むのなら破壊しろ、完膚無きまでに叩き潰せ。利用できるなら利用し尽くせ、不要になったら切り捨てろ。どちらでもないなら無視しろ、貴様の行動の結果それが生きようが死のうが関心を持つな。 頭の隅にこびりついて離れない、誰とも知れない者の声を聞きながら。 そして、 『……………………』 走り去っていく垣根のバイクを、ビルの物陰から見つめる存在があった。 それは――機械で出来た動物のような形の四足歩行型のロボットは、ゆっくりと物陰からその身を現すと、軽い身のこなしで、垣根が去っていったのとは反対方向へ駆けていった。 『記憶が消去された、のでしょうか。少なくとも、三沢塾内部で垣根帝督に何かしらの処理が行われたのは間違いありませんね。三沢塾がただのカルト教団に支配されているだけ、という確率は低いと思われます――博士』 学園都市内にある、とあるオープンカフェにて。 丸テーブルに向かい合って座る二人の男がいた。 一人はダウンジャケットを着込んだ若い男。 もう一人は白衣に眼鏡をかけた、眼光の鋭い老年の男。 白衣の男は耳に携帯電話をあてており、そこからは先ほど男を『博士』と呼んだ少年のような声が響いている。 「フン、おおかた魔術なぞというものの仕業であろうよ。アレイスターに報告すれば、後はあの『人間』が勝手に処理を進める」 『では、そのように。木原幻生の監視の方はどうしますか? 今日は垣根帝督を追っていましたが、明日からはまた私が?』 「いや、お前はそのまま垣根帝督の監視に回ってくれ。最近お前の監視が木原幻生にバレ始めている、馬場」 『えぇ、そんな感じはしていましたが……』 馬場と呼ばれた電話の向こうの声が、少し困惑した調子を見せる。 『そもそも監視していることは暗黙の了解となっていますし、今更隠すことではないのでは?』 「それはそうだが、こちらの真の目的は、監視という名目で木原幻生の研究を盗むことだ。奴に好き勝手に研究させていれば、またこちらを出し抜こうとするに決まっているからな。だが、監視されていると分かれば、下手に研究を晒さないように警戒されるかもしれん」 『それも……そうですね』 「そういうことだ。明日からは木原幻生の監視は私と査楽で行い、お前は幻生の研究対象である垣根帝督の監視に移れ」 『はい、了解です』 通話が切られ、『博士』は携帯電話を白衣のポケットにしまう。 「アレイスターも、『停滞回線』の使用を許可してくれればいいものを」 テーブルの対面に座るジャケットの男、査楽が『博士』に話しかける。 「あれは学園都市の技術の結晶だ。老いぼれ研究者の監視にはもったいなさ過ぎる」 「まぁ、ですね。そういえば今回は、『停滞回線』が侵入できない、という理由で三沢塾に垣根帝督を送り込んだんでしたっけ」 『もうその時点で、三沢塾が異界であることなんて、明白な気もしますけどね』 突如、先程の馬場の声が近場から聞こえた。 いつの間にか、四足歩行型のロボットが、『博士』の足元に陣取っている。 それを確認すると、『博士』は席から立ち上がった。 一呼吸遅れて、査楽とロボットがそれに続く。 オープンカフェを後にしながら、『メンバー』のリーダー――『博士』は、誰にともなく呟いた。 「三沢塾の件も、数日中には解決するだろう。――この街には得体の知れない技術が溢れている。逃げ切る事など出来んさ」 垣根帝督の十番勝負 第『三』戦 『アウレオルス=イザード』 対戦結果――不戦敗 次戦 対戦相手――『馬場芳郎』
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三沢塾。 そのビルの内部にある、校長室というプレートの下がった部屋。 豪華だが品のない内装をしたその部屋の奧には、校長が座るのだろう、黒壇と黒革の座席のセットが鎮座している。 その、黒壇の前に。 およそこの部屋の雰囲気にそぐわないものがあった。 丸テーブルと、向かい合って置かれた二つの腰掛け。 真っ白いそれらには、腕のある職人が彫ったのだろう、精密で美しい西洋風の模様が刻まれており、周囲の成金趣味丸出しの調度品とは一線を画している。 そして、カフェテリアから丸ごと抜き出してきたかのようなそのティーテーブルの一席に、 「…………………………」 垣根帝督は憮然とした表情をして座っていた。 「断然」 そんな垣根に、部屋の隅にて、薬缶の火加減を見ながら、アウレオルス=イザードが声をかける。 「我としては珈琲より紅茶の方が好みなのだが、貴様はどうだ? 珈琲を、というのならわざわざ入れてやらんこともないが、味は保証せん」 「……どっちも要らねぇよ」 「では紅茶だな」 「………………」 アウレオルスは、ティーテーブルと似た意匠のポットに茶葉を入れ、薬缶の湯を注ぐ。 しばらく蒸らしてから、ポットと同じ模様のティーカップを2つ用意し、それぞれにポットから香り高い紅茶を淹れると、そのうちの一つを垣根帝督の前に、もう一つを対面の席に、砂糖やミルクのセットを載せた盆をその中間に置いてから、自身は垣根の対面に設置された席に座る。 そして―― 「突然」 湯気を立てる紅茶をストレートのまま一口飲み、 「まずは、何から話してもらうか」 これから茶話でもしようかという口振りで、アウレオルスは垣根に問いかけた。 「武装解除せよ」 垣根に剣を突きつけられた体勢のまま、アウレオルスが厳かに命令した。 「は?何言ってやがん……!?」 あまりに場違いなその発言に、呆れた垣根が言葉を言い切る前に、変化は訪れた。 垣根の身体が意志を離れて勝手に動き、自身の持っていた剣を手放し、さらに右手に装着していた籠手まで抜き取って地面に捨ててしまったのだ。 ――アウレオルスの、言葉の通りに。 (なんだこりゃ!? 精神……いや、肉体を操作する能力か?) 垣根が逡巡する間に、アウレオルスはスーツのポケットから太い鍼を一本取り出し、自身の頸に突き刺す。 「ハッ、動機付けってか? 不便だなぁオイ。能力は成る程トリッキーだが、そいつはまんま弱点だぜ!」 相手の『言葉』に怯まず、新たな『未元物質』を作り出そうとする垣根。 しかし―― 「一切の攻撃行動を禁止」 鍼を地面に放りながらアウレオルスが一言呟くと、 「んなっ……!?」 垣根が頭の中で組んでいた『未元物質』の数式が、一瞬にして瓦解した。 (馬鹿な……精神にも干渉出来んのか?) 何度組み直そうと、『未元物質』は数式の途中で崩壊する。 (だったら、直接殴りに行ってやろうじゃねぇかよ!) 思い、足に力を入れる垣根だったが、 「くっそ……」 まるで床に縫いつけられたかのように両足がその場から動かない。 (マジで攻撃が禁止されたってのか? ――野郎の言葉通りに) 額から嫌な汗が一筋流れる。 アウレオルスはそんな垣根の目の前に悠々と近づいてくる。 「当然。貴様を一度殺し、記憶を消去した上で結界の外へ捨て置く……ダミーが出来なかったそれを、我がすることは可能であるし、容易である。しかし、貴様のダミーを倒したその能力に興味が湧いた。断然。殺すよりは、茶でも沸かして語り合った方が面白そうである」 自分のことを殺すと宣言した人間に対して、アウレオルスは突拍子もないことを告げる。 「はぁ? 誰がテメェなんぞと一緒に仲良くお茶しようって? フザケんじゃねぇぞ」 「全然。貴様の意見など聞いていない。――我について来い」 「っ!!」 アウレオルスの言葉に素直に従い、歩き出す垣根の身体。 それを疎ましく、気味悪く思いながらも、 (くそっ、訳がわかんねぇぞ!?) 垣根に抵抗する術はなく、アウレオルスの後に続いて階上へ上っていったのだった。 「あぁ? テメェに話すことなんざ一つもねぇよ、アウレオルス=イザード」 垣根は出された紅茶に手さえも触れず、アウレオルスの問いを乱暴に撥ね除ける。 「そうだな、まずはその特異な能力について教えてもらおう」 「だーかーらーよ―」 「何度も言おう。貴様の意見など聞いていない。――我の質問に対して、一切の虚偽なく返答せよ」 「『未元物質』。この世にもとより存在しない物質を生み出し、操作する能力だ………………っ!?」 勝手にしゃべり始めた自分の口に驚愕する垣根に対して、アウレオルスは涼しい顔でその内容を吟味する。 「この世に存在しない、か。超能力とやらの仕組みは知らぬし、興味もないが……自然、そのような物質があるならば我の『リメン=マグナ』が破られることもあろう。だが、フン。その程度か。ならばいくらでも対処の仕様がある、つまらぬ能力だ。憮然。生かしてここに連れてくるだけの価値すらなかったやもしれぬな」 「テメ、言わせておけば……」 「まぁいい。次の質問だ。或いは、本来ならばこちらを先にすべきなのかもしれぬが……貴様、名は?」 「垣根帝督」 「所属」 「先進教育局、木原研究所」 アウレオルスの問いにスムーズに答えていく自分の口に苛立ちを感じるも、垣根にはどうすることも出来ない。 「ならば、目的は?」 ――どのような仕組みかはわからない。 だが自分はアウレオルスの言葉の通り、彼の質問には正直に答えることしか許されていないらしい。 故に垣根は、自らがここに来た『目的』を嘘偽りなく答えた。 「姫垣を――妹を守るためだ」 これが垣根でなかったなら、雇われたから、金のため、異分子の排除――いくらでも他の答えが出てきただろう。 しかし、垣根の、垣根帝督という人間の『目的』とは、ただひたすら垣根姫垣に集約される――それこそ、その他のあらゆることはそれに連なる『手段』でしかないように。 だからこそ、垣根帝督はこれ以外に答えを持たない。 「……………………………ほぅ」 垣根の答えを聞いた瞬間、アウレオルスの声音が変わった。 『未元物質』に対する興味が失せた後、平坦になっていたそれが、最初以上の好奇心を窺わせる色に変わったのだ。 「妹を守る、か。――詳しく話せ」 貴様の生に興味が湧いた。 そう付け足すアウレオルスの表情に、垣根は先程までは見えなかった何かを垣間見た気がした。 それはおそらく――人間らしさ、と呼ばれるものだったのだろう。 「足りんな」 垣根から全てを聞いた後。 アウレオルスの発した第一声はそれだった。 「…………テメェ、人にさんざしゃべらせといて、まだ聞き足りねぇってのか?」 もう諦めた面もあるのだろう、垣根は自分の前に置かれているすっかり冷めた紅茶を一気に飲み干して、喉を潤してから言う。 「全然。そうではない。足りぬのは貴様の覚悟の方だ。貴様が真に妹の平穏を、救済を望むのであれば、貴様の覚悟はまるで足りん」 「……んだと? どういう意味だテメェ」 「敢然。垣根姫垣のために、それ以外の全てを利用し、切り捨て、敵に回すだけの覚悟。何もかもを――或いは自身の身さえも、彼女のための犠牲に強いる覚悟のことだ」 「ぁ? だから俺は――」 「ならば何故、貴様は姫神秋沙を差し出せという木原幻生の依頼を承諾しなかった?」 「――っ!」 「それで貴様の目的に少しでも近づくのならば、貴様はその依頼を断るべきではなかった」 「だが……」 「木原幻生に貢ぐような行為が嫌だった、そう言いたいのだろう。だが、否。真実は異なる。貴様は姫神秋沙を関係ない人間だからと同情し、守ろうとしたのだ。そしてその言い訳に木原幻生への嫌悪感を持ち出そうとしているに過ぎない」 「……………」 「歴然。図星だな。それが貴様の甘さだ。関係ないから何だと言うのだ。それが貴様の道を阻むのなら破壊しろ、完膚無きまでに叩き潰せ。利用できるなら利用し尽くせ、不要になったら切り捨てろ。どちらでもないなら無視しろ、貴様の行動の結果それが生きようが死のうが関心を持つな。――あれもこれも守ろうなどと、愚劣にも程がある」 「……テメェに言われる筋合いなんざねぇよ」 絞り出すように呟く垣根。 しかしそれは、アウレオルスの言葉に反論できないと言っているようなものだ。 「フン。昂然。ならば我も語ってやろう」 まるで垣根のその言葉を待っていたとばかりに、アウレオルスは唇を歪める。 「我がここに来た理由、我の救出すべき女性(ひと)のことを」 「……秘密なんじゃなかったのかよ?」 拗ねるような垣根の態度に、アウレオルスはやはり余裕を持って答える。 「言ったであろう。貴様のことが、少しばかり気に入ったのだよ」 そして、アウレオルスは席を立ち、再び薬缶を沸かし始めた。 「少し長くなる、もう一度紅茶を入れよう」 「魔術、ね。どうやらカルト教団を乗っ取ったのは、テロ屋じゃなくまた別のオカルティズムだったらしい」 アウレオルスの話を聞き終えた垣根は、もはや飲むことに抵抗のなくなった三杯目の紅茶に口をつけ、そんな感想を漏らす。 「当然。貴様の反応はもっともだ。純正な科学育ちの貴様に理解しろとは言わぬ。何より、魔術だ何だなぞは些細なことだ」 「魔道書とかいう核爆弾の設計図みてーなもんを十万飛んで三千冊も頭ん中に詰め込まれ、おまけに一年間の記憶しか持つことを許されていない、禁書目録……テメェはそいつのためだけに、テメェの属していたロシア成教を、そして世界中を敵に回した」 「純然。我は禁書目録のためにここまで至った。他のあらゆることを排除し、無視し、利用し、切り捨てて。この三沢塾も、ここに通う学生たちも――そして姫神秋沙も」 「俺とは違って、か?」 「当然」 「ちっ……」 舌打ちし、しかし垣根は今聞いた話を即座に頭の中で整理し、意趣返しとばかりに一つの事実をアウレオルスに突きつける。 「だが、一つ言っとくとよ、その魔道書を記憶しているせいで一年しか記憶が保たねぇってのはイギリス清教の方便だ。そっち方面にそこまで詳しい訳じゃねぇが、確か人間の記憶のキャパってのは140年生きてても埋まりゃしねぇらしいし、そもそも脳の中の情報を記憶する部位と思い出を記憶する部位とは全然別個らしいぜ?」 「顕然。そんなことはとっくに知っている」 「あ?」 得意気に語った知識を簡単にあしらわれ、うっかり大口を開けて呆然としてしまう垣根。 「魔術師だから科学に疎いなどと思うな。何より我は錬金術師である。錬金術とは、科学と魔術の両面を持つものだ。我には化学をはじめ、自然科学の知識は十分にあるし、禁書目録を解放しようと、脳科学にも手を出した。直接最大主教の下についている必要悪の教会の魔術師どもはその言葉を疑わぬだろうが、我はもとよりあの女狐を信用していないからな。一年間しか保たない記憶など嘘であることは、とっくに気づいていた」 アウレオルスは紅茶で喉を潤し、静かに続ける。 「そして、我はその記憶の絡繰りをすでに解き明かしている。禁書目録は、一年毎に記憶をリセットする霊装――『首輪』とでも呼ぶべきものをつけられているのだ。そして、その『首輪』を破壊すれば……」 「……禁書目録は解放される」 「そしてそのための力も手に入れた。『黄金錬成(アルス=マグナ)』。この術式さえあれば、どれほど強固な術式をも破ることが出来る」 「イメージ出来んのか? その強固な術式を壊すっつーよ」 過去を話す中で語られた、アウレオルスの完成させたという術式の弱点を指摘する垣根だったが、 「明然。他の事物はいざ知らず、それが禁書目録のためであるのなら、我の思考に不可能はない」 アウレオルスはそれにしっかりと答えを返す。 その瞳は、全く揺るがない。 「成る程、な。だがそうすると一つわからねぇ。どうしてテメェは吸血鬼なんてもんを追い求める? 『首輪』を破壊すりゃいいなら、無限の記憶なんざ必要ねぇだろ」 「ならば、少し考えてみよ。例え『首輪』を破壊しても、禁書目録は依然として十万三千冊の魔道書を抱えていることに違いはない。それがある限り、禁書目録は魔道書の知識を求める輩によって危険にさらされ続けるであろう」 「確かにそうだが……いや、待てよ」 得られた情報から、学園都市第二位の頭脳は一つの結論を導き出した。 「じゃあ……まさか、テメェの本当の目的は……十万三千冊の魔道書に関する全ての知識を吸血鬼の脳味噌に移し替えること、なのか?」 「ほぅ、快然」 心なしか声を弾ませて言うアウレオルス。 「なかなか優秀だな。その通り、先程の説明は最大主教のそれと同じ方便。禁書目録を吸血鬼に噛ませる? 馬鹿を言うな。守るべきものを人外に変えるなど、出来ようはずがない。我は『首輪』を破壊した後、禁書目録から魔道書についての知識を抜き出し、吸血鬼に植え付け、それをイギリス正教に差し出すつもりだ」 「それは……」 確かにそうすれば、魔術的観点から見て禁書目録に存在価値はなくなるだろう。 禁書目録を、完全に救えるだろう。 だが―― その過程において、三沢塾の塾長らは殺された。 学生たちは、死んでは生き返りの苦痛を繰り返すことを強制された。 その結果において、禁書目録の身代わりとなった吸血鬼は、その自由を奪われることになる。 それも、不死たる吸血鬼に、終焉が訪れることは決してない。 永遠の生き地獄だ。 そして、それは姫神秋沙と交わしたという協力関係に完全に違反することでもあるのだろう。 姫神秋沙を裏切ることになるだろう。 それでも、この男は――アウレオルス=イザードは、躊躇なくそれらを行うと言う。 大衆は、おそらくそれを悪と、或いは非人間的と罵るだろう。 どこかのツンツン頭の少年は、間違いなく右の拳をアウレオルスに向かって振り下ろすだろう。 だが、垣根帝督は。 そんなアウレオルス=イザードに全く異なる感想を抱いた。 「何だそりゃ――格好いいじゃねぇかよ」 姫垣のために生きる自分と。 禁書目録のために生きるアウレオルスと。 そこには似通うところがあって、しかしアウレオルスの方がずっと高いところにいる。 長い会話の末、そのことを悟った垣根は、アウレオルスに憧憬の念さえも抱いていたのだ。 「いいな。そういうの、本当に」 「現然。ようやく我が貴様を連れてきた理由を了解したか」 「あぁ……」 垣根は椅子からゆっくりと立ち上がる。 「それが俺の道を阻むのなら破壊しろ、完膚無きまでに叩き潰せ。利用できるなら利用し尽くせ、不要になったら切り捨てろ。どちらでもないなら無視しろ、俺の行動の結果それが生きようが死のうが関心を持つな――その通りだ。全くもって俺は甘かった。こんなんでヒメを守ろうなんて、そのもの愚劣だった。だから……」 「だから――俺はテメェをぶっ殺すぜ」 「……ほう」 アウレオルスの目が、細くなる。 「俺の仕事は三沢塾を奪い返すこと。そして今の三沢塾の支配者はテメェ。つまりテメェは俺の道のど真ん中に胡座かいて座ってやがるってことだ。だったら、俺はテメェをぶっ殺すべきだ――それしか道は、ねぇんだからな」 テーブルから退き、いまだ座ったままのアウレオルスとの距離を測る垣根。 「俺にそのトンデモ能力……『アルス=マグナ』っつったか? その仕組みを教えちまったのは迂闊だったな。どんな能力だろうが、タネが分かっちまえばいくらでも対処のしようがあるんだよ」 ハッタリでは、ない。 本当に『アルス=マグナ』がアウレオルスの精神状態に由来するものであるのならば、相手の言葉の裏をつくこと、或いはそれこそハッタリを仕掛けることで、能力に穴を空けることは可能なはずだ。 「一応礼を言っておいてやる。説教じみててウザかったが、なかなか有意義な話だった。ありがとよ」 言い、右手に『未元物質』の剣を出現させる垣根。 (やっぱりな。もう『攻撃禁止』の命令は解けてる。『アルス=マグナ』の根幹は言葉ではなく意識。アウレオルスが自分の下した命令を意識しなくなれば効果はなくなるってことだ) 一方、アウレオルスは席から立ち上がらないまま、垣根を見据えて変わらぬ調子で言葉を紡ぐ。 「励然。礼を言うのはこちらだ。我も貴様のような、我と同じ行動原理を持つ人間に会い、話すことが出来たのは僥倖である」 「ハン、言ってろ。俺は俺の道を阻むテメェをぶっ殺す。姫神秋沙は幻生に差し出し、利用する。そしてその結果――テメェの大事な禁書目録がどうなろうが興味はねぇ」 大きく跳び、ティーテーブルの上に土足で踏み乗る垣根。 「悦然。それで良い。それが正解だ。貴様が口先だけの男ではないと分かると喜ばしい。故に――サービスだ。貴様のことは見逃してやろう」 「それがテメェの言う甘さだろうが!」 (野郎は意志を言葉にすることで強固にする。つまり一度に行える命令は一つまで!) 垣根はテーブルの上をアウレオルスの方へ向かって高速で駆ける。 「我の道はすでに終端に近いのでな。この程度の障害は誤差でしかないのだ」 「だったらその誤差にやられちまえ!」 (『武装解除』なら、素手で殴りに行く) 垣根に踏み荒らされ、倒れ、砕けるティーセット。 (『攻撃禁止』なら、防御は可能なはず。とびきり固い『未元物質』を纏ってこのスピードのままぶつかれば、ダメージは与えられる) ついにアウレオルスの目前に迫り、垣根は西洋剣を高く振り上げる。 (さぁ、どう来るっ!) 「忘れよ」 「ん?」 垣根帝督はふと、寄りかかっていた愛用のバイクから身を起こす。 「寝ちまってたのか……?」 軽く目を擦った垣根は、そこで空が僅かに赤色を帯びているのに気づいた。 「夕方かよ……おいおい、どんなけ寝てたんだ。つーか、ここどこだよ」 辺りを見回し、自分が見覚えのない区画にいることを確認する垣根。 後方の巨大なビルからは、学生らしい少年少女たちがたくさん吐き出されている。 どうやら塾か何かのようだ。 無論、垣根にはまるで縁のない場所である筈だが―― 「こんなところに用事でもあったのか俺は? つーか何も思い出せねぇ。確か午前中は幻生んとこにいたんだよな。その後は……んー? 何なんだよ、ったく。酔っ払いじゃあるまいし」 右手で頭をがしがしと掻く垣根だったが、当然そんなことで記憶が戻ったりはしない。 「あ、今日ってヒメ友達と遊びに行ってるんだよな。もうそろそろ帰ってくる時間か? やべ、買い出し行かなきゃならねぇ」 結局、垣根は違和感を抱えつつも、それを無視してバイクを発進させ、タイムセールに間に合うようスーパーに急ぐことにした。 ――それが貴様の道を阻むのなら破壊しろ、完膚無きまでに叩き潰せ。利用できるなら利用し尽くせ、不要になったら切り捨てろ。どちらでもないなら無視しろ、貴様の行動の結果それが生きようが死のうが関心を持つな。 頭の隅にこびりついて離れない、誰とも知れない者の声を聞きながら。 そして、 『……………………』 走り去っていく垣根のバイクを、ビルの物陰から見つめる存在があった。 それは――機械で出来た動物のような形の四足歩行型のロボットは、ゆっくりと物陰からその身を現すと、軽い身のこなしで、垣根が去っていったのとは反対方向へ駆けていった。 『記憶が消去された、のでしょうか。少なくとも、三沢塾内部で垣根帝督に何かしらの処理が行われたのは間違いありませんね。三沢塾がただのカルト教団に支配されているだけ、という確率は低いと思われます――博士』 学園都市内にある、とあるオープンカフェにて。 丸テーブルに向かい合って座る二人の男がいた。 一人はダウンジャケットを着込んだ若い男。 もう一人は白衣に眼鏡をかけた、眼光の鋭い老年の男。 白衣の男は耳に携帯電話をあてており、そこからは先ほど男を『博士』と呼んだ少年のような声が響いている。 「フン、おおかた魔術なぞというものの仕業であろうよ。アレイスターに報告すれば、後はあの『人間』が勝手に処理を進める」 『では、そのように。木原幻生の監視の方はどうしますか? 今日は垣根帝督を追っていましたが、明日からはまた私が?』 「いや、お前はそのまま垣根帝督の監視に回ってくれ。最近お前の監視が木原幻生にバレ始めている、馬場」 『えぇ、そんな感じはしていましたが……』 馬場と呼ばれた電話の向こうの声が、少し困惑した調子を見せる。 『そもそも監視していることは暗黙の了解となっていますし、今更隠すことではないのでは?』 「それはそうだが、こちらの真の目的は、監視という名目で木原幻生の研究を盗むことだ。奴に好き勝手に研究させていれば、またこちらを出し抜こうとするに決まっているからな。だが、監視されていると分かれば、下手に研究を晒さないように警戒されるかもしれん」 『それも……そうですね』 「そういうことだ。明日からは木原幻生の監視は私と査楽で行い、お前は幻生の研究対象である垣根帝督の監視に移れ」 『はい、了解です』 通話が切られ、『博士』は携帯電話を白衣のポケットにしまう。 「アレイスターも、『停滞回線』の使用を許可してくれればいいものを」 テーブルの対面に座るジャケットの男、査楽が『博士』に話しかける。 「あれは学園都市の技術の結晶だ。老いぼれ研究者の監視にはもったいなさ過ぎる」 「まぁ、ですね。そういえば今回は、『停滞回線』が侵入できない、という理由で三沢塾に垣根帝督を送り込んだんでしたっけ」 『もうその時点で、三沢塾が異界であることなんて、明白な気もしますけどね』 突如、先程の馬場の声が近場から聞こえた。 いつの間にか、四足歩行型のロボットが、『博士』の足元に陣取っている。 それを確認すると、『博士』は席から立ち上がった。 一呼吸遅れて、査楽とロボットがそれに続く。 オープンカフェを後にしながら、『メンバー』のリーダー――『博士』は、誰にともなく呟いた。 「三沢塾の件も、数日中には解決するだろう。――この街には得体の知れない技術が溢れている。逃げ切る事など出来んさ」 垣根帝督の十番勝負 第三戦 『アウレオルス=イザード』 対戦結果――不戦敗 次戦 対戦相手――『馬場芳郎』
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【種別】 アニメ・とある科学の超電磁砲シリーズ 【解説】 『とらドラ!』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』等で知られる長井龍雪監督が、 自身の作風に拘った結果生まれた現象。 原作と乖離した捩れがもたらした異空間。 氏の持論として「作品(原作)のいいところ、面白い部分を引き出そうと心懸ける」とあるが、 『超電磁砲』の場合、氏の思う超電磁砲キャラ像と原作キャラ像に対する乖離が顕著で、 いわゆる「青春キャラ」としての魅力を引き出そうとするあまり、 原作鎌池氏&冬川氏の持つ展開の速さや熱さを脇に置いてでも、 超電磁砲キャラの人情話に比重を掛け、多くの尺を割きつつ、 氏独自の世界を押し通した展開を続けることから、スレ内にて誰言うとも無く発生した単語。 「アニレーは禁書原作とも冬川超電磁砲とも違うから」と完全に区別する意味もある。
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【種別】 特殊能力 【元ネタ】 World Rejecter =「世界を拒絶する者」 【初出】 新約十三巻 ●目次 【概要】 【効果・特性】 【弱点】 【正体】 【謎?】 【参照】 【概要】 上里翔流の右手に宿っていた力。 木原唯一に奪われてしまっていたが、上里勢力により取り返された。 現在は右手を腕から切り離した状態のまま、上里がクーラーボックスに入れて保管している。 対象を『新天地』と呼ばれる異世界へ追放し、その存在を現世から抹消し事実上の死を与える。 魔術師(魔神)達の、今ある世界を諦めたい、旅立ちたいという幻想が生んだ力であり、 上条当麻の右手に宿る幻想殺しと同質にして対極の力だとされている。 理想送りが上里へ宿ったのは、11月の上旬。第三次世界大戦が終結し、グレムリンの行動が表面化し始めた頃。 彼が明確に自分の力と認識したのは、上条との邂逅の2、3日前。サンジェルマンとの一件が発生していた時期である。 理想送りは幻想殺しと同じく、魂の輝きに惹かれ、上里には宿るべくして宿ったと推測されているが、 上里本人は魔神達の身勝手な願望を押し付けられ、 その結果として自分の運命や自分に関わった少女達の自由を歪めたキッカケであると解釈している。 理想送りで送られる『新天地』については、 上里による暫定的な説明として、フィルムのコマ数の例え話がある。 曰く「世界はどこまで広がれるか」という問題に対し、容量の限界を100%と定義すると、 人の意識の中で構築された世界は100%の内の、ほんの20%~30%だけでしかない。 そのため、新天地はその残った空き容量で構成されている… とのこと。 故に、所謂「平行世界・パラレルワールド」の類や、位相とはまた違うものである。 しかし、上里が如何にしてこの新天地にまつわる、作中世界の構造に関する要領を得たのかは不明である。 【効果・特性】 発動にはいくつかの条件を満たす必要がある。 一つ目に、使用時に「新たな天地を望むか」というワードを、対象に対して投げかけること。 もっとも無言で消している場面もあるため、小声、もしくは心の中で言っても認められる様子。 また、脳幹が操る多種多様な兵器による長時間に渡る砲撃を消し続けたりしているため、 一度宣言すればいちいち言わなくても持続し、武器種が違っても製作者が同じなら同一カウントするくらいの融通は利くようである。 二つ目は、対象が矛盾、対立する願望、つまり「今の世界に執着しながら別の世界を求める意思」を持っていること。 上里はこれを『願望の重複』と呼んでおり、発動条件の中で最も大きなウェイトを占める。 例えば「恋人と幸せになりたい、でもハーレムは崩したくない」といったような、 今ある世界にしがみつきながら同時に破滅願望も抱えている人間を能力の対象とする事ができる。 つまり「一つのブレない意思」を持ち続ける者には効果を発揮しない。 例えばパトリシアは「命を賭けてでも姉を救う」という強い信念の為に影響を受けず、 木原として揺るぎない信念を持っていた木原脳幹も効果を受けなかった。 ...とされているが、この基準はかなり曖昧で、一時の迷い、価値観の変化すらも「願望の重複」判定されてしまう。 つまりこの能力を不確定要素なく完全に無効化するためには、 「ブレない意思」をいかなる状況においても一切変えずに死ぬまで貫き続けることを要求される。 逆にブレない意思を保つなら、その内容や善悪は問われない。 また理想送りは、『願望の重複』を持つ者が作った物品にも効果を発揮する。 作中では石鹸の泡、風力発電のプロペラ、グラウンドの土砂といったありふれたものから、 脳幹が使用した対魔術式駆動鎧とそこから放たれた攻撃、 さらにはネフテュスの作り出した位相までも消し去った。 (位相は概念的な存在であるが、同時に実体を持った世界でもあるため対象にできたと思われる。 グラウンドの土砂は整備した人の意思か、土を生み出した存在の意思どちらをカウントしたのかは不明) またアレイスターが上里の動向を把握していなかったことから、滞空回線も消し去っていた可能性がある。 効果範囲も幻想殺しとは異なり、右手そのものではなく右手の作る影が効果の起点となっている。 そのため使用された対象は、影に吸い込まれるように消えていく。 光量や光源の角度を変化させれば、影絵の要領で照準を調節でき、 密着部分には影が生じるため、幻想殺しと同じように直接触れる事でも発動できる。 なお幻想殺しと直接衝突した場合、理想送りの効果が優先される。 しかし実際には後述の弱点があるため、幻想殺しを吹き飛ばした直後、その奥にあったモノに襲われて返り討ちに遭っている。 また、使用者本人の意思で『新天地』に送った存在を、右手から自在に現世に呼び戻せる...と思われていたが、 これは上里のトリックによるブラフだった。 その性能故、地の文では『究極の一撃』と評されており、 条件さえ揃えば幻想殺しや「神」すらも消し飛ばすこの異能は、「攻撃力」に関してはほぼ右に並ぶものは無い。 木原唯一は「質量保存の法則も相対性理論もぶち抜いている」 「何故原子崩壊に伴う大爆発が起こらないのか不思議でならないレベル」とコメントしている。 【弱点】 強力な能力ではあるが、幻想殺し同様弱点も多い。 まず、効果範囲が右手の作る影のみと狭いこと。 右手のみの幻想殺しと比べれば遥かにマシだが、 やはり多方向・遠距離からの攻撃や高速機動には対応しづらい。 また影自体に特殊な効果はないので、間に障害物を置けば影を遮れるし、 能力によっては影を逸らして無力化されてしまう。 次に、発動にタイムラグがあること。 まず使用のために発声が必要なため、不意打ちには無力。 乱戦では対象を変えるたびに発声分の遅れが生じる。 また、能力自体にも「表層から深層へと順に作用する」特性があり、消す際に僅かなタイムラグがある。 そのため上条の「幻想殺しとその奥の存在」、パトリシアの「本人とサンプル=ショゴス」のような、 複数の存在が完全に重なっている対象の場合は、消すと同時に重なった存在による攻撃を素通ししてしまうことになる。 最後に最大の欠点として、 『願望の重複』が有ると判断すれば、所有者をも新天地に飛ばしてしまうこと。 実際魔神への復讐に対し疑問を持った上里は、右手を除き新天地に送られてしまっている。 その為、所有者自身もブレない意思を持ち続けることを要求される。 なお、外部からのデメリットはもたらさない点、 能力自身が持ち主に牙を剥くという点で、 欠点すらも幻想殺しと対照的となっている。 【正体】 ネフテュスの仮説によれば、 上条当麻が魔神全体を救う道から外れて、オティヌス個人の『理解者』になってしまったのが原因で発生した能力。 「幻想殺しにすがり続けても安心は得られない」 と真のグレムリンの魔神達が無意識下で思ってしまったことで、それに代わる力の出現を願ったために上里の右手に宿ったと考えられる。 「あらゆる魔術師の夢」とされる幻想殺しへの思いがこうも簡単に右往左往してしまうのは、 魔術業界の勢力は99.9%魔神が占めており、数だけなら少ないが、 一人一人の力が桁違い過ぎて人間の魔術サイドが占める割合など髪の先にも満たないから、らしい。 【謎?】 幻想殺しには「上条当麻の右手にのみ幻想殺しが宿る」 というルールに基づき、右腕を損傷したり、または切り落とされるなどした時に、 破損した右腕周辺を再生させ、肉体から離された右手から力を失わせる、などのセキュリティのようなものが存在する。 しかし作中で上里の右手首を切断され、木原唯一に理想送りを奪われた際には、 上里の右手が再生することはなく、奪われた右手から理想送りの力が失われることもなかった。 この時唯一はサンジェルマンウィルスを用いて、奪った右手を「自分の右手である」と認識させていたので、 自己欺瞞によってセキュリティの抜け穴を掻い潜り、幻想殺しのようにならなかった可能性がある。 そもそも理想送りに幻想殺しのようなセキュリティルーチンが存在するのか、 あるいは存在しても理想送りが上里を所有者として品定めしている段階だったため適用されなかったのか、 いずれにしろ幻想殺しよりも事例が少ないため不確かなことも多い。 ただし、これは唯一が裏技を用いていたが故の事態であり、もしも唯一が奪った上里の右手を正しく「他者の右手である」と 認識した上で振るっていた場合には、幻想殺しよろしくセキュリティが作動したかも知れないという 逆説的な推測が成り立つのも事実である。 【参照】 →禁書世界の時間論
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登録日:2009/11/16(月) 15 27 33 更新日:2024/01/12 Fri 12 45 37NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 このライトノベルがすごい! ライトノベル ランキング 出来レース 本当に好きなものは自分だけが知っている 無能審査員 出版 宝島社 読者による作品及びキャラクターの年間人気投票がウェブ等で行われ、その結果をもとにライトノベルをランキング付けているガイドブック。 2004年より毎年12月初旬に発行。 内容は順位の発表の他、ジャンル別作品の紹介、ランキング1位を獲得した作品の著者へのインタビュー、各作品の名ゼリフなど。 投票は作家や評論家から一般の読者まで幅広い層が参加するが、回答は選択式ではなく全て打ち込み式のフリーアンサー方式を採用している。 ランキングに入った作品の多くには入賞を伝える帯が巻かれるなど商業的地位は高く、人気作品として注目を集めアニメ化をはじめ映像化されることも多い。 だが、近年ではメディアミックスされたメジャーな作品を選びがちないわばライト層の多いモニター票・一般読者票と、新作の青田買いやマイナーな「隠れた名作」を選びがちなマニア層が多くを占める協力者票が、他のブックランキングと比べ著しく分離している問題があり、この辺のポイントの傾斜には毎年賛否両論があがる。 上位入賞する作品はライトノベルの特徴上シリーズものが多いが、単発作品としての最高位は2006年度に3位を獲得した「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」。 過去最多得票を獲得したのは2009年度1位「文学少女」シリーズ。 同年度では木下秀吉(バカとテストと召喚獣)が史上初の男女両キャラクター部門でのトップ10入りを果たした。 【各年度別ランクイン作品】 文庫作品部門 2005年度 1位 涼宮ハルヒシリーズ 谷川流 2位 戯言シリーズ 西尾維新 3位 悪魔のミカタ うえお久光 4位 流血女神伝 須賀しのぶ 5位 バッカーノ! 成田良悟 2006年度 1位 戯言シリーズ 西尾維新 2位 キノの旅 時雨沢恵一 3位 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹 4位 空ノ鐘の響く惑星で 渡瀬草一郎 5位 終わりのクロニクル 川上稔 2007年度 1位 狼と香辛料 支倉凍砂 2位 涼宮ハルヒシリーズ 谷川流 3位 戯言シリーズ 西尾維新 4位 半分の月がのぼる空 橋本紡 5位 キノの旅 時雨沢恵一 2008年度 1位 フルメタル・パニック! 賀東招二 2位 涼宮ハルヒシリーズ 谷川流 3位 “文学少女”シリーズ 野村美月 4位 とらドラ! 竹宮ゆゆこ 5位 狼と香辛料 支倉凍砂 2009年度 1位 “文学少女”シリーズ 野村美月 2位 とらドラ! 竹宮ゆゆこ 3位 バカとテストと召喚獣 井上堅二 4位 とある魔術の禁書目録 鎌池和馬 5位 狼と香辛料 支倉凍砂 2010年度 1位 バカとテストと召喚獣 井上堅二 2位 〈物語〉シリーズ 西尾維新 3位 “文学少女”シリーズ 野村美月 4位 とらドラ! 竹宮ゆゆこ 5位 生徒会の一存 葵せきな 2011年度 1位 とある魔術の禁書目録 鎌池和馬 2位 僕は友達が少ない 平坂読 3位 バカとテストと召喚獣 井上堅二 4位 ソードアート・オンライン 川原礫 5位 ベン・トー アサウラ 2012年度 1位 ソードアート・オンライン 川原礫 2位 とある魔術の禁書目録 鎌池和馬 3位 ベン・トー アサウラ 4位 円環少女 長谷敏司 5位 バカとテストと召喚獣 井上堅二 2013年度 1位 ソードアート・オンライン 川原礫 2位 とある魔術の禁書目録 鎌池和馬 3位 六花の勇者 山形石雄 4位 バカとテストと召喚獣 井上堅二 5位 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 伏見つかさ 2014年度 1位 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 渡航 2位 ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン 宇野朴人 3位 とある魔術の禁書目録 鎌池和馬 4位 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 大森藤ノ 5位 ソードアート・オンライン 川原礫 2015年度 1位 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 渡航 2位 ソードアート・オンライン 川原礫 3位 ノーゲーム・ノーライフ 榎宮祐 4位 とある魔術の禁書目録 鎌池和馬 5位 後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール 石川博品 2016年度 1位 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 渡航 2位 ソードアート・オンライン 川原礫 3位 ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン 宇野朴人 4位 エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~ 東龍乃助 5位 終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? 枯野瑛 2017年度 1位 りゅうおうのおしごと! 白鳥士郎 2位 Re ゼロから始める異世界生活 長月達平 3位 とある魔術の禁書目録シリーズ 鎌池和馬 4位 ソードアート・オンライン 川原礫 5位 ゴブリンスレイヤー 蝸牛くも 2018年度 1位 りゅうおうのおしごと! 白鳥士郎 2位 86-エイティシックス- 安里アサト 3位 <Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 海道左近 4位 月とライカと吸血姫 牧野圭祐 5位 ソードアート・オンライン 川原礫 2019年度 1位 錆喰いビスコ 瘤久保慎司 2位 りゅうおうのおしごと! 白鳥士郎 3位 弱キャラ友崎くん 屋久ユウキ 4位 ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 しめさば 5位 86-エイティシックス- 安里アサト 2020年度 1位 七つの魔剣が支配する 宇野朴人 2位 りゅうおうのおしごと! 白鳥士郎 3位 弱キャラ友崎くん 屋久ユウキ 4位 ようこそ実力至上主義の教室へ 衣笠彰梧 5位 幼なじみが絶対に負けないラブコメ 二丸修一 2021年度 1位 千歳くんはラムネ瓶のなか 裕夢 2位 スパイ教室 竹町 3位 ようこそ実力至上主義の教室へ 衣笠彰梧 4位 探偵はもう、死んでいる。 二語十 5位 継母の連れ子が元カノだった 紙城境介 単行本ノベルス部門 2017年度 1位 オーバーロード 丸山くがね 2位 物語シリーズ 西尾維新 3位 蜘蛛ですが、なにか? 馬場翁 4位 無職転生 理不尽な孫の手 5位 本好きの下剋上 香月美夜 2018年度 1位 本好きの下剋上 香月美夜 2位 蜘蛛ですが、なにか? 馬場翁 3位 幼女戦記 カルロ・ゼン 4位 オーバーロード 丸山くがね 5位 物語シリーズ 西尾維新 2019年度 1位 本好きの下剋上 香月美夜 2位 海辺の病院で彼女と話した幾つかのこと 石川博品 3位 物語シリーズ 西尾維新 4位 オーバーロード 丸山くがね 5位 転生したらスライムだった件 伏瀬 2020年度 1位 Unnamed Memory 古宮九時 2位 本好きの下剋上 香月美夜 3位 陰の実力者になりたくて! 逢沢大介 4位 無職転生 - 異世界行ったら本気だす - 理不尽な孫の手 5位 リビルドワールド ナフセ 2021年度 1位 異修羅 珪素 2位 本好きの下剋上 香月美夜 3位 Unnamed Memory 古宮九時 4位 リビルドワールド ナフセ 5位 Babel 古宮九時 女性キャラクター部門 2005年度 1位 ドクロちゃん(撲殺天使ドクロちゃん) 2位 読子・リードマン(R.O.D) 3位 長門有希(涼宮ハルヒシリーズ) 4位 涼宮ハルヒ(涼宮ハルヒシリーズ) 5位 アリソン・ウィッティングトン(アリソン) 2006年度 1位 キノ(キノの旅) 2位 長門有希(涼宮ハルヒシリーズ) 3位 ヴィクトリカ・ド・ブロワ(GOSICK -ゴシック-) 4位 涼宮ハルヒ(涼宮ハルヒシリーズ) 5位 シャナ(灼眼のシャナ) 2007年度 1位 ホロ(狼と香辛料) 2位 長門有希(涼宮ハルヒシリーズ) 3位 涼宮ハルヒ(涼宮ハルヒシリーズ) 4位 天野遠子(“文学少女”シリーズ) 5位 キノ(キノの旅) 2008年度 1位 涼宮ハルヒ(涼宮ハルヒシリーズ) 2位 天野遠子(“文学少女”シリーズ) 3位 長門有希(涼宮ハルヒシリーズ) 4位 ホロ(狼と香辛料) 5位 千鳥かなめ(フルメタル・パニック!) 2009年度 1位 天野遠子(“文学少女”シリーズ) 2位 ホロ(狼と香辛料) 3位 逢坂大河(とらドラ!) 4位 琴吹ななせ(“文学少女”シリーズ) 5位 御坂美琴(とある魔術の禁書目録) 2010年度 1位 御坂美琴(とある魔術の禁書目録) 2位 天野遠子(“文学少女”シリーズ) 3位 琴吹ななせ(“文学少女”シリーズ) 4位 戦場ヶ原ひたぎ(〈物語〉シリーズ) 5位 逢坂大河(とらドラ!) 2011年度 1位 御坂美琴(とある魔術の禁書目録) 2位 アリス(神様のメモ帳) 3位 インデックス(とある魔術の禁書目録) 4位 天野遠子(“文学少女”シリーズ) 5位 柏崎星奈(僕は友達が少ない) 2012年度 1位 御坂美琴(とある魔術の禁書目録) 2位 アスナ(ソードアート・オンライン) 3位 柏崎星奈(僕は友達が少ない) 4位 黒猫(俺の妹がこんなに可愛いわけがない) 5位 アリス(神様のメモ帳) 2013年度 1位 御坂美琴(とある魔術の禁書目録) 2位 アスナ(ソードアート・オンライン) 3位 稲葉姫子(ココロコネクト) 4位 黒雪姫(アクセル・ワールド) 5位 柏崎星奈(僕は友達が少ない) 2014年度 1位 御坂美琴(とある魔術の禁書目録) 2位 雪ノ下雪乃(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 3位 アスナ(ソードアート・オンライン) 4位 由比ヶ浜結衣(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 5位 インデックス(とある魔術の禁書目録) 2015年度 1位 雪ノ下雪乃(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 2位 御坂美琴(とある魔術の禁書目録) 3位 由比ヶ浜結衣(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 4位 アスナ(ソードアート・オンライン) 5位 オティヌス(とある魔術の禁書目録) 2016年度 1位 御坂美琴(とある魔術の禁書目録) 2位 雪ノ下雪乃(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 3位 一色いろは(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 4位 由比ヶ浜結衣(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 4位 アスナ(ソードアート・オンライン) 2017年度 1位 御坂美琴(とある魔術の禁書目録) 2位 レム(Re ゼロから始める異世界生活) 3位 めぐみん(この素晴らしい世界に祝福を!) 4位 アスナ(ソードアート・オンライン) 4位 雪ノ下雪乃(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 6位 加藤恵(冴えない彼女の育てかた) 2018年度 1位 御坂美琴(とある魔術の禁書目録) 2位 マイン(本好きの下剋上) 3位 アスナ(ソードアート・オンライン) 4位 桜島麻衣(青春ブタ野郎シリーズ) 5位 加藤恵(冴えない彼女の育てかた) 2019年度 1位 御坂美琴(とある魔術の禁書目録) 2位 レーナ(86-エイティシックス-) 3位 アスナ(ソードアート・オンライン) 4位 空銀子(りゅうおうのおしごと!) 5位 マイン(本好きの下剋上) 2020年度 1位 軽井沢恵(ようこそ実力至上主義の教室へ) 2位 空銀子(りゅうおうのおしごと!) 3位 御坂美琴(とある魔術の禁書目録) 4位 桜島麻衣(青春ブタ野郎シリーズ) 5位 七海みなみ(弱キャラ友崎くん) 2021年度 1位 軽井沢恵(ようこそ実力至上主義の教室へ) 2位 椎名真昼(お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件) 3位 ローゼマイン(本好きの下剋上) 4位 シエスタ(探偵はもう、死んでいる。) 5位 桜島麻衣(青春ブタ野郎シリーズ) 男性キャラクター部門 2005年度 1位 いーちゃん(戯言シリーズ) 2位 相良宗介(フルメタル・パニック!) 3位 佐山・御言(終わりのクロニクル) 4位 オーフェン(魔術士オーフェン) 5位 フォルテッシモ(ビートのディシプリン) 2006年度 1位 いーちゃん(戯言シリーズ) 2位 佐山・御言(終わりのクロニクル) 3位 ガユス・レヴィナ・ソレル(されど罪人は竜と踊る) 4位 相良宗介(フルメタル・パニック!) 5位 平和島静雄(デュラララ!!) 2007年度 1位 佐山・御言(終わりのクロニクル) 2位 いーちゃん(戯言シリーズ) 3位 零崎人識(戯言シリーズ) 4位 平和島静雄(デュラララ!!) 5位 相良宗介(フルメタル・パニック!) 2008年度 1位 相良宗介(フルメタル・パニック!) 2位 キョン(涼宮ハルヒシリーズ) 3位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 4位 木下秀吉(バカとテストと召喚獣) 5位 高須竜児(とらドラ!) 2009年度 1位 木下秀吉(バカとテストと召喚獣) 2位 高須竜児(とらドラ!) 3位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 4位 相良宗介(フルメタル・パニック!) 5位 井上心葉(“文学少女”シリーズ) 2010年度 1位 木下秀吉(バカとテストと召喚獣) 2位 阿良々木暦(〈物語〉シリーズ) 3位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 4位 みーくん(嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん) 5位 杉崎鍵(生徒会の一存シリーズ) 2011年度 1位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 2位 一方通行(とある魔術の禁書目録) 3位 キリト(ソードアート・オンライン) 4位 木下秀吉(バカとテストと召喚獣) 5位 佐藤洋(ベン・トー) 2012年度 1位 キリト(ソードアート・オンライン) 2位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 3位 阿良々木暦(〈物語〉シリーズ) 4位 一方通行(とある魔術の禁書目録) 5位 佐藤洋(ベン・トー) 2013年度 1位 キリト(ソードアート・オンライン) 2位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 3位 一方通行(とある魔術の禁書目録) 4位 比企谷八幡(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 5位 高坂京介(俺の妹がこんなに可愛いわけがない) 2014年度 1位 比企谷八幡(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 2位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 3位 キリト(ソードアート・オンライン) 4位 一方通行(とある魔術の禁書目録) 5位 真奥貞夫(はたらく魔王さま!) 2015年度 1位 比企谷八幡(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 2位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 3位 キリト(ソードアート・オンライン) 4位 一方通行(とある魔術の禁書目録) 5位 司波達也(魔法科高校の劣等生) 2016年度 1位 比企谷八幡(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 2位 キリト(ソードアート・オンライン) 3位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 4位 一方通行(とある魔術の禁書目録) 5位 司波達也(魔法科高校の劣等生) 2017年度 1位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 2位 キリト(ソードアート・オンライン) 3位 一方通行 (とある魔術の禁書目録) 4位 比企谷八幡(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 4位 ナツキ・スバル(Re ゼロから始める異世界生活) 6位 フジキド・ケンジ(ニンジャスレイヤー) 2018年度 1位 キリト(ソードアート・オンライン) 2位 比企谷八幡(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 3位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 4位 司波達也(魔法科高校の劣等生) 5位 一方通行(とある魔術の禁書目録) 2019年度 1位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 2位 比企谷八幡(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 3位 キリト(ソードアート・オンライン) 4位 綾小路清隆(ようこそ実力至上主義の教室へ) 5位 シン(86-エイティシックス-) 2020年度 1位 綾小路清隆(ようこそ実力至上主義の教室へ) 2位 梓川咲太(青春ブタ野郎シリーズ) 3位 上条当麻(とある魔術の禁書目録) 4位 比企谷八幡(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 5位 キリト(ソードアート・オンライン) 2021年度 1位 綾小路清隆(ようこそ実力至上主義の教室へ) 2位 フェルディナンド(本好きの下剋上) 3位 比企谷八幡(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 4位 千歳朔(千歳くんはラムネ瓶のなか) 5位 梓川咲太(青春ブタ野郎シリーズ) イラストレーター部門 2008年度 1位 いとうのいぢ(涼宮ハルヒシリーズ、灼眼のシャナ) 2位 竹岡美穂(“文学少女”シリーズ、黄昏色の詠使い) 3位 黒星紅白(キノの旅、メグとセロン) 4位 四季童子(フルメタル・パニック!) 5位 ヤス(とらドラ!、おと×まほ) 2009年度 1位 竹岡美穂(“文学少女”シリーズ、黄昏色の詠使い) 2位 いとうのいぢ(涼宮ハルヒシリーズ、灼眼のシャナ) 3位 ヤス(とらドラ!、おと×まほ) 4位 黒星紅白(キノの旅、メグとセロン) 5位 葉賀ユイ(バカとテストと召喚獣) 2010年度 1位 竹岡美穂(“文学少女”シリーズ、黄昏色の詠使い) 2位 いとうのいぢ(涼宮ハルヒシリーズ、灼眼のシャナ) 3位 左(嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん、ささみさん@がんばらない) 4位 葉賀ユイ(バカとテストと召喚獣) 5位 岸田メル(神様のメモ帳) 2011年度 1位 灰村キヨタカ(とある魔術の禁書目録) 2位 ブリキ(電波女と青春男、僕は友達が少ない) 3位 竹岡美穂(“文学少女”シリーズ、黄昏色の詠使い) 4位 岸田メル(神様のメモ帳) 5位 左(嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん、ささみさん@がんばらない) 2012年度 1位 ブリキ(電波女と青春男、僕は友達が少ない) 2位 灰村キヨタカ(とある魔術の禁書目録) 3位 abec(ソードアート・オンライン) 4位 岸田メル(神様のメモ帳) 5位 カントク(変態王子と笑わない猫。) 2013年度 1位 abec(ソードアート・オンライン) 2位 ブリキ(電波女と青春男、僕は友達が少ない) 3位 灰村キヨタカ(とある魔術の禁書目録) 4位 白身魚(ココロコネクト) 5位 カントク(変態王子と笑わない猫。) 2014年度 1位 灰村キヨタカ(とある魔術の禁書目録) 2位 ぽんかん⑧(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 3位 abec(ソードアート・オンライン) 4位 ブリキ(電波女と青春男、僕は友達が少ない) 5位 カントク(変態王子と笑わない猫。) 2015年度 1位 ぽんかん⑧(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 2位 はいむらきよたか(とある魔術の禁書目録) 3位 abec(ソードアート・オンライン) 4位 ブリキ(電波女と青春男、僕は友達が少ない) 5位 鵜飼沙樹(ブラック・ブレット) 2016年度 1位 ぽんかん⑧(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 2位 はいむらきよたか(とある魔術の禁書目録) 3位 abec(ソードアート・オンライン) 4位 カントク(変態王子と笑わない猫。) 5位 深崎暮人(冴えない彼女の育てかた) 2017年度 1位 はいむらきよたか(とある魔術の禁書目録) 2位 abec(ソードアート・オンライン) 3位 カントク(変態王子と笑わない猫。) 4位 三嶋くろね(この素晴らしい世界に祝福を!) 5位 わらいなく(ニンジャスレイヤー) 2018年度 1位 はいむらきよたか(とある魔術の禁書目録) 2位 abec(ソードアート・オンライン) 3位 三嶋くろね(この素晴らしい世界に祝福を!) 4位 ぽんかん⑧(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。) 5位 溝口ケージ(さくら荘のペットな彼女、青春ブタ野郎シリーズ) 2019年度 1位 しらび(りゅうおうのおしごと!、無彩限のファントム・ワールド、86-エイティシックス-) 2位 はいむらきよたか(とある魔術の禁書目録) 3位 フライ(弱キャラ友崎くん) 4位 カントク(変態王子と笑わない猫。) 5位 三嶋くろね(この素晴らしい世界に祝福を!) 2020年度 1位 しらび(りゅうおうのおしごと!、無彩限のファントム・ワールド、86-エイティシックス-) 2位 フライ(弱キャラ友崎くん) 3位 トモセシュンサク(ようこそ実力至上主義の教室へ) 4位 溝口ケージ(さくら荘のペットな彼女、青春ブタ野郎シリーズ) 5位 三嶋くろね(この素晴らしい世界に祝福を!) 2021年度 1位 トモセシュンサク(ようこそ実力至上主義の教室へ) 2位 フライ(弱キャラ友崎くん) 3位 しらび(りゅうおうのおしごと!、無彩限のファントム・ワールド、86-エイティシックス-) 4位 しぐれうい(幼なじみが絶対に負けないラブコメ) 5位 三嶋くろね(この素晴らしい世界に祝福を!) △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ラノベレーベルの名前にもなったな -- 名無しさん (2013-12-17 00 13 06) この項目この先どうするんだろ。毎年追記してくのか? -- 名無しさん (2013-12-17 08 47 53) 最新2年分ぐらい残して省略してけば? どうせ毎年上位は出来レースなんだし -- 名無しさん (2014-07-27 03 27 37) 少々追記に当たり、TOP10からTOP5にしました。不都合があれば追記してください。 -- 名無しさん (2014-12-10 15 04 48) できれば2015年以降も追記してほしいな -- 名無しさん (2015-12-22 22 17 18) 今年も始まったねえ。まさかの文庫と単行本を別集計。やはりなろうの需要が大きいのか。 -- 名無しさん (2016-09-23 18 15 37) 男性キャラ部門のフジキドの場違い感すごい -- 名無しさん (2017-03-02 17 42 04) 当然っちゃ当然だけどアニメ化したのが多いな -- 名無しさん (2021-02-25 13 06 28) このランキングを元に人気の指標や作品の評価を語るのはやめた方がいいのに妙に絶対的な根拠にしたがる人は減らない -- 名無しさん (2021-02-25 16 18 07) なろうに比べてタイトルが短い作品が多くて安心してしまった -- 名無しさん (2022-01-24 16 48 42) 名前 コメント
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【種別】 魔術結社 【元ネタ】 Wikipedia- 薔薇十字団 【初出】 名前のみ一巻 【解説】 〈秘密の首領〉の1人であるアンナ=シュプレンゲルなどが所属しているとされる魔術結社。 上条と邂逅した際のインデックスが、自分を追って来ている組織の候補として挙げた。 オティヌス曰く、そこらの魔術師を捕まえて有名人を挙げてみろと質問すれば、 10本指が埋まる頃にはメイザースやサンジェルマンと並んで名前が挙がるとされる。 ウェストコットは薔薇十字のネームバリューを利用して黄金夜明(S∴M∴)を大きくしたが、 メイザースは薔薇十字を秘密主義的すぎるとして嫌っていた。
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【種別】 魔術結社 【元ネタ】 Wikipedia - 黄金の夜明け団 読み方は「Stella Matutina」(ステラ・マテューティナ)? 1888年の創設から現代に至るまで、魔術やオカルトの話になると必ずと言っていいほど取り上げられる 近代西洋最大の魔術結社。 【初出】 一巻 【解説】 19世紀末、イギリスに登場した『黄金』と呼ばれる天才集団。 ヘルメス学や薔薇十字などの幾つもの遺伝子を統合し、 近代西洋魔術の雛型となった世界最大の魔術結社である。 主な拠点はイシス=ウラニア聖堂の別館やブライスロード36番地など。 創始者は好んで仏教を取り入れていた節もあったらしい。 あまりにも強大な魔術師達が集いすぎたが故に、たった数年で実質的な活動を終え、 その後の内紛で自己崩壊した。 内紛の後も名称を変更して活動を続けたが、結局分裂は避けられず、独自の魔術結社を幾つも設立して 『黄金』という組織は空中分解していった。 その絶大な存在から、1度崩壊した後も『黄金』を取り戻そうと試みた者達は何人もいた。 しかしながらいずれの者もかつての『黄金』の栄光を取り戻すどころか資料や人材すら集めきれず、 当時の面影すら残らない形で名前だけが現在まで受け継がれている。 崩壊した結社は断片化した後、独自に発展と進歩を遂げ、無秩序に分化しながら今日まで(ミナ曰く「だらだら」)存続し、 明け色の陽射し、宵闇の出口、暗闇を拭う夜明けなど、数多くの「黄金系」と呼ばれる結社が存在する。 中心教義はカバラ。これにエジプト・ギリシャ神話にタロットやエノクその他諸々を組み合わせ、 共通する神の記号や光の象徴を抽出し、本質に迫る術式群を揃えている。 『黄金』の集団で行う魔術は舞台演劇の形式に近く、 多くの者が役割を決めてそれに準じた装束や象徴武器で身を固め、規則的かつ流れるような動作でこなしていく。 複雑精緻な数式の様な儀式魔術こそが、彼らの真髄である。 メンバー一人一人が独立した伝説を持つ傑物ばかりで、 人の身でありながら、魔神の力を自らの術式に組み込んでしまえる程の魔術の技量を誇る者もいる。 といってもあくまで魔術師のため、単純な知識や力の総量は魔神と比べるべくもない。 魔神娘々曰く、どちらがどちらを喰うか、出し抜き出し抜かれ騙し騙されの関係らしい。 構成メンバーの顔ぶれは多種多様。 大地主、薬剤師、検察官、女優、天才作家など表の世界でも活躍する者から、 古文書の翻訳に走ったり怪しい仕手戦を提案する者、果ては無職や世捨て人と、人種の標本セットの様な有様だったらしい。 近代魔術の基礎を作った彼らは総じて我が強く、それでいてなお子供の部分を忘れない、 天才特有のカリスマ性を持つ変人の集まりだったようだ。 メンバーの我の強さは筋金入りであり、「人の行いが世界に遠慮するなどありえない」と言い切るほど。 たとえ自身の判断一つで世界が滅びかねない状況であっても迷わず自分の個人的感情を優先し、 それで世界がどうなろうと一向に構わない、という極大の『個の意志』が集っていた。 インデックスが上条と初めて出会った際、 自分を追っている可能性がある組織の一つとして挙げている。 また、御使堕しの際には土御門元春が「大慌てするカバラ業界」の例としても挙げ、 フィアンマが天才集団の例として『黄金』の名を出す等、業界に対する影響度は計り知れない物がある。 新約21巻で最盛期と同じ姿で全員(アラン以外)が登場。 これはアレイスター討伐のためにコロンゾンが仕込んだ防衛機構であり、 彼(彼女)らの正体は、ミナと同じくタロットカードによって再現された姿である。 「再現された」メイザースは逆にコロンゾンを支配し退去させることで自由を得る事を目論んでいたが、 その前に地脈・龍脈からの魔力供給をアレイスターに遮断され、 全員タロットカードに戻っていった。 【作中に登場した所属メンバー】(50音順) アーサー=エドワード=ウェイト アニー=エリザベス=フレデリカ=ホーニマン アラン=ベネット アレイスター=クロウリー イエイツ(未編集) イスラエル=リガルディ ウィリアム=ウィン=ウェストコット エドワード=ベリッジ(未編集) サミュエル=リデル=マグレガー=メイザース ジョン=ウィリアム=ブロディ=イネス(未編集) ダイアン=フォーチュン チャールズ=ロシャー(未編集) ネッタ=フォルナリオ(未編集) フレデリック=リー=ガードナー(未編集) ポール=フォスター=ケイス ミナ=メイザース ロバート=ウィリアム=フェルキン 仮面舞踏会の君 【関連】 →象徴武器(シンボリックウェポン) →GDタロット →四界
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1. 【種別】 魔術 【元ネタ】 ラテン語で『Ex voto』と書き、『(願のかなったお祝いの)』奉納物を指す。 イタリア語でも『Ex voto』で通じる。 【初出】 二十二巻 超電磁砲SS2でも登場 【解説】 歴史上の守護聖人に代願する事で、 第三者を迂回して『神の子』へ要求を伝え、奇跡を起こしやすくする手法。 代願が叶った証として、 守護聖人の聖壇へ代願に関連する対価を奉納することで儀式は終了する。 アニェーゼ部隊のシスター達が得意とする術式であり、 日本の願掛けやまじないのように「治して欲しい部分」の模型を教会に奉納して祈る。 原理としては偶像の理論に属する回復魔術。 彼女らはロシアの大地に訪れた際に、要救助者を助けるためにこの術式を展開。 『神の子』の産着と飼い葉桶の理論を応用して大規模なシェルターを建造した。 その場にある魔術的に意味のある記号を組み合わせ、簡素なものでも大きな効果を得ることが狙い。 彼女達が「シェルター」と呼んでいるものは、 具体的には木の骨組みと白い布を組み合わせたテントのようなものに過ぎないが、 それでも普通に組み上げるならば、とても数秒から数十秒で組みあがるものではない。 魔術的知識の無い兵士から見れば、 バネ仕掛けの玩具が自動的に物凄い速さで展開されていくように見えるらしい。 2. 【種別】 魔術 【解説】 カリーチェが使用する術式。 アニェーゼ達は(建造するシェルターの形をした)模型を納めたが、 カリーチェの場合は『代願内容を記した羊皮紙』を奉納物に指定。 レッサーの見立てではロシア系結社の手法でイコンにも対応させていたようだ。 聖油を詰めたボールペンや文房具を媒介に発動し、 術式が執行されると虚空から羊皮紙が銃器の空薬莢のように排出される。 羊皮紙には代願内容が記載されている関係上、 敵対魔術師に羊皮紙の内容を見られると、術式を逆算されてしまう可能性があるのが欠点。
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【種別】 作家 【解説】 『クビキリサイクル』で、メフィスト賞を受賞しデビュー。 いーちゃんを主人公とする『戯言シリーズ』で人気を博す。 西尾維新というペンネームは、「NISIOISIN」と回文な上、Oを中心に点対称。 これからも分かるが言葉に対する情熱は凄まじい。 極端な名前や、奇矯なキャラクター、二つ名を登場させるのも特徴。 鎌池スレ初期では名前が挙がり、文体など類似点が言われていた。 この理由は西尾維新の特筆すべき点の一つが、俗に言う厨要素や文章上の技法を大量に使うことだからと思われる。 なので、そういった要素を使おう、文章を特徴的にしたい、キャラを立てよう、とすると似通う部分もあるということ。 あくまで初期の話であったが、たまに今の禁書スレでも話題に出てくる。
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HP・・・2213 熟練レベル・・・29 技能レベル・・・25 特性・・・植物 防御・・・なし 耐性・・・麻痺、眠り、暗闇、混乱、魅了、スタン、水耐性 地相・・・蒼龍 技レベル・・・27 術レベル・・・24 <基本能力> 腕・・・22 器・・・24 早・・・21 体・・・18 魔・・・19 意・・・23 魅・・・22 <防御力> 斬・・・15 打・・・23 突・・・23 貫・・・23 熱・・・6 冷・・・24 雷・・・18 状・・・18 <アイテム> 1・・・術酒 2・・・ヘリオトロープ 3・・・エーデルワイス 無刀・・・なし 所持金・・・なし